第85回研究例会 of 韓国・朝鮮文化研究会

 第85回研究例会

 運営委員会での検討の結果、COVID-19の感染拡大に鑑み、第85回研究例会も引き続き、Web会議サービスのZoom上で下記の通り実施しました。


日時:2023年6月10日(土曜日)15時~17時

開催方法:Zoomミーティング

発表者:金セッピョル(人間文化研究機構・総合地球環境学研究所特任助教)

題目:韓国において儒教的葬儀はいかに持続しているか--「道理」という言説をめぐって

 近年、韓国の葬儀は急激に変化しているようにみえるが、一方では儒教の影響、つまり先祖崇拝や家父長制の原理が根強く持続している。本報告では、儒教の影響がなぜ、どのように持続しているかに関して、報告者の母方三代の歴史を通して考察したい。

 報告者の母方の祖母は、息子が産めなかったという理由で娘4人とともに祖父に見捨てられた。それから50年間ほぼ絶縁状態であったが、最近、祖母は自分の死後、祖父と同じお墓に合葬(土葬)されたいと宣言した。家父長制に翻弄され、ときには抵抗しながら生きてきた祖母が、なぜこのような儒教的な葬儀を選択するようになったのか。これは祖母だけの話ではなく、韓国における葬儀の変化において、あいかわらず目に見えない形で儒教の影響が持続している傾向とも連続していると考える。本発表では、祖母の人生の節目節目において「道理」という言葉が登場していることに注目し、その背景を紐解いてみたい。

本報告の内容は、自伝的民族誌として書いている内容の一部です。現在、左右社noteで連載中ですので、よろしければご高覧ください。

https://note.com/sayusha/n/n48197cdd13b2?magazine_key=mfc2d1d71dd39


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